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博麗の網


 硝煙が立ち込める瓦礫と化した和風の一室で、全身に傷を負った鈴仙が焦げた畳に伏したまま問いかけた。
「ああてゐよ、どうして私だけがこんな目に遭うのか」
 鈴仙が顔を向けた先には、白くて柔らかい耳を生やした少女が大部屋の隅でちんまりと、襖の模様に同化していた。

  おわり


『漁師と網』より