魔理沙と図書館パチュリー
両手に山盛りの本を抱えながら紅い絨毯の上を歩いていると、安楽椅子に座るパチュリーに声をかけられた。 「ねえ魔理沙。何度も図書館に来るんだったら、いっそのことここに住まない?」 何を突然と言わんばかりに、魔理沙は大げさに振り向いた。ずっしりと本の重みを感じる。 「あなたが暮らす場所は十分にあるし、きっと不自由しないはずよ。 何より2人だったら楽しく暮らせそうじゃない」 パチュリーにしては珍しく早口でまくし立てているのを、魔理沙は本についた埃を時折気にしながら、ただぼうっと眺めていた。 なるほど魅力的な提案だと思ったが、魔理沙の心は最初から完熟に固まってた。 「それはどうも。でもそういうわけにはいかない。 ここにいたらな、本を借りたそばから返す羽目になるからな」 おわり 『炭屋と洗濯屋』より