自分の本は自分で守り
小悪魔が赤い絨毯に寝そべって本を読んでいると、椅子に座ってこれまた本を読んでいたパチュリーが、視線を宙に向けた。 「あーあ。明日は誰か知り合いに頼んで、あの外道魔法使いから本を取り返さないとね」 小悪魔はパタパタと足を揺らしながら、「そうですね」と語尾を伸ばした。 小悪魔が本棚に向かってはたきを振り回していると、向こうで陶器の揺れる音がした。棚と棚の間からそっと覗くと、パチュリーが机の上に拳を作っている。 「明日は、私の力を総動員して対策を練らないといけないわ。お金を出して優秀な用心棒も雇いましょう」 小悪魔は、目を輝かせてパチュリーに駆け寄った。 おわり 『ヒバリとその雛』より