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ルーミアと二人の主人公


 一瞬の隙を突かれた。直撃を腹に食らったルーミアは勢いよく地面に激突した。
 月明かりに照らされた薄闇の地面で大の字になる。そうしていると、魔理沙の足音がザッザッと近づいてきた。
「やめて、命だけは」
 首を上げ、正面で佇む魔理沙へ声を絞り出す。
「だめだ。異変が解決できないから」
 つっけんどんに返される。
「異変ってなに? 知らないよ」
 ルーミアも負けじと言葉を続ける。
「本当か?」
 ふっと魔理沙の目つきが和らいだ。ルーミアは何かの糸を掴んだような気がした。
「本当だよ。ただの妖怪だよ」
「そうか。悪かった」
 そう言った魔理沙は箒に跨るや否や、弾丸のように飛び去った。


 一瞬で片がついた。直撃を全身に食らったルーミアは勢いよく地面に激突した。
 紅い月明かりに照らされた薄闇の地面で大の字になる。そうしていると、霊夢の足音がジャリジャリと近づいてきた。
「やめて、命だけは」
 首を上げ、正面で腕を組む霊夢へ声を絞り出す。
「だめよ。異変が解決できないから」
 つっけんどんに返される。
「異変ってなに? 知らないよ」
 ルーミアも負けじと言葉を続ける。
「本当?」
 ふっと霊夢の目つきが和らいだ。ルーミアは何かの糸を掴んだような気がした。
「本当だよ。ただの妖怪だよ」
「へえ」
 そう呟いた霊夢は、地面を蹴りふわりと距離を詰めてきた。
「あんた、私の仕事わかってる?」
 聖者は十字架に磔(はりつけ)られた。

  おわり


『コウモリと2匹のイタチ』より