アンコーハウス - 東方伊曽保物語 -

おっかなさ回避能力


 チルノが必死に弾幕をばら撒いているところへ、偶然にもミスティアが通りかかった。劣勢のチルノは慌ててミスティアを呼び止めた。
「助けて!」
 ミスティアは目を丸くして立ち止まり、前のめりにチルノの下へやってくる。
「もう! すぐ無茶するんだから」
「あっち!」
 チルノは向こうを指差した。そこには一際眩しい色彩を放つ花畑が広がっている。すると、ミスティアは構えた両手を静かに降ろした。
「あー……。相手が誰か判らなかったら、このままチルノに加勢したんだけど」
 ミスティアは一目散に飛び去っていった。

  おわり


『野ウサギとキツネたち』より