ミスティア姫、風見幽香の直撃を喰らわんとす
つい最近あるところに、ミスティアとリグルがいました。二人はひまわり畑で楽しく遊んでいました。すると、ミスティアはつい、茎を踵(かかと)で踏んづけてしまいました。その途端、背後から恐ろしい地響きが鳴り渡りました。振り返ると、赤いタータンチェックの服を着た女性が、緑色の髪の毛を蛇のように逆立てています。あ、と声を洩らした瞬間、ミスティアは極太の白い光に包まれました。 仰向けに倒れたミスティアに、リグルが近寄ってきました。ミスティアはちりちりに焦げて香ばしい匂いを漂わせています。 「大丈夫?」 リグルは全身きれいさっぱりでした。ミスティアは問いました。 「どうしてあんたは無事なの?」 リグルはしみじみと感慨深げに言いました。 「大切なのは逆らわない心だよ」 おわり 『カシの木とアシたち』より